2010/05/12

つくばが多いのではなくて水戸が少ない

現在定数33人いるつくば市議会が、更に5人削減するとかで今議論になっているそうだ。その際引き合いが出しているのは水戸市議会が先んじて定数削減をして28人になっているとか言うことで、だから多過ぎ・・・って論調らしい。

だが、そうなんだろうか?人口規模がほぼ同規模の特例市で仮に比較してみた(人口は2010年4月の推計値。Wikipediaから)。









市名人口議員定数議員1人あたり
人口
つくば市212,369336,435
水戸市265,424289,479
太田市213,942385,630
草加市240,777308,025
春日部市236,071327,377
熊谷市203,089365,641

・・・と見てみると、大体において人口5,500~7,000強のとこで市議会議員1人ってのが"普通"で、つくば市が多いってのは到底言えない。それどころか人口9,000人以上で議員1人という水戸市の少なさが、むしろ異様な気がしてしまう。

黒川滋氏がいみじくも指摘していたが、市町村議会だと建前とは裏腹に個人的な人脈だけで選挙するのが殆どで、それこそ地域的な利害とか限られた政策課題とかってのが有権者にとっての投票動機だったりし、そうした関心や利害の無い方々にとっては投票する意味が無い。ただでさえ「平成の大合併」でスケールが大きくなり、広い自治体の中での利害調整が複雑になる中で、30人を下回る議会でそれが可能だとは考え難い。その前の候補者擁立とか、場合によっては議会を通り越して区長を通じてとか直接首長に彼是工作するとか、インフォーマルな形で決まってしまう危うさが否めない。無論、政策中心の選挙や議会にならないって批判はそれ自体首肯し得るものだけど、それは議員定数の削減とは別のレイヤーの例えば選挙制度とか選挙運動の制限とかの問題だ。

これまた黒川氏の受け売りになるけど、現実には定数削減の結果地域ボスとか(あまり使いたくないけど)"プロ市民"が幅を利かせて、小さな議会で活性化どころか少数寡頭制になっている感があるのだが。ましてや議会以外にも執行部と区や自治会・町内会が、公式/非公式で馴れ合っていて且つ遣り取りとかも議会ほど公開されていない。この際ながら、議員定数のバーゲンセールで何かが良くなると思うのは考え直した方が宜しいのでは?


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2010/04/02

参院のボタン式投票は止めた方が良い

自民党の某議員が隣の議員の投票ボタンを押していたことが判り、矢張りと思わざるを得なかった。何しろ隣の議員のボタンにまで手が届き、しかも本人確認の認証の無いままに投票できるとあればそれこそ(ボタン投票導入以降の)採決の公正さまでもが問われてしまう重大なことだ。

これが堂々巡りの札による投票や起立採決方式だったらどうだろう?少なくとも今回の様な「代返」は先ず起こり得ないし、何よりボタン式投票と違って誰が賛成・反対したかというのが傍目から見ても判る。もっとも、ボタン式でさえ賛否の公表は判る様にはなっているが、起立採決や札による投票の様な一目瞭然さには欠ける。こうした欠点がある上に採決の公正さを疑われるボタン式の投票はこの際中止して、元の起立採決に戻した方が好いのではないか。

にしても、その「代返」されていたという議員。実は参院自民党の実力者だった訳だが、案外当人が頼んでいたのではないか?と勘繰ってしまう。もっとも「私は知らない」 と言っているそうだが・・・・・

【4月3日追記】
朝日新聞の記事だと、氏名標を立てて始めてボタンが押せるので、本人認証が全く無いものではない様だ。だが、氏名票をドサクサ紛れに立ててしまって投票してしまうってことだって出来る訳で(で、現に起こった)認証手段としては不充分に過ぎるのではないか?


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2010/03/24

そもそも「北関東連携」って成り立っているのだろうか?

以前に茨城空港から北関東へのアクセスに重点を置け、ということを言っていた自分が今更言うのも何だが、ここ数日近県でどの様な取り上げられ方をしているのかについて調べてみたら、暗澹たる気分にさせられた。

下野新聞では幾つかヒットしたものの、開業前に訪問したら茨城のしか無かったとか、折角の旅行企画も「本数が少ないので、お客からの問い合わせはほとんどない」「成田発に比べると料金が高いので、お客も冷静に見ている」などと余り巧くいってないとか前評判から散々な指摘。空港へアクセスを担当する筈のバス会社も「県民の利用状況や便数を見極めながら検討する」と(福島空港で懲りたせいもあるかも知れないが)さすがに楽観的になれる返事とは言えない(だから県の方で何か営業をかける努力をしてもいいとは思うのだが。新設でなくても水戸までの便を伸ばすだけで充分だと思うし)。

群馬は更に惨憺たる状況だ。上毛新聞ではさすがに見つけられなかったし、何とか探してみたのが東京新聞地方版の記事。群馬ばかりか栃木からの不満や不安が多く並ぶ中、目に止まったのが次の一文。

群馬県については、一九九〇年代から新潟空港や新潟港を共有資産とし、関越自動車道など高速道路網を生かして新潟・長野・群馬三県を観光、産業などの連携地域とする「上信越トライネット」構想が進められている。広域連携による地域づくりには可能性こそあれ、具体化のハードルは高いようだ。


何のことは無い。茨城より前に先客がいた。

まぁ、件の「上信越トライネット」にしてさえ果たして山を越えて豪雪地帯とも言える新潟を使うってのが果たして現実的か?って疑問符があるのだけど、この「上信越トライネット」と比較しても茨城空港を軸とした「北関東連携」って現実味があるのか突っ込みどころ満載な気がしてしまう。そもそも、栃木と群馬は埼玉から道路や鉄道が伸びていて、それを利用した人やモノの流れが多かったりする。俄然、生活実態からしても結びつきが強いのに、埼玉を外して茨城を結びつけても無理矢理やっている印象が強い。

群馬とか栃木(更には埼玉)と結びつきが強いのは県内でも古河や下館・筑西などの県西部であり、筑波山系を越えた県央・県北はどちらかというと(水戸藩としての名残なのか)地域的に閉じた独自性が濃い。県北や県央が先ず交流の相手とするのは常磐線や国道6号で行く東京であって、あとは常磐地域が福島のいわき地方と交流がある程度だったりする。県南とか鹿行になると千葉の方が身近で、むしろ「北関東」という形容が合うのかが疑わしい。

地域間交流が進み広域連携へと向かうのは時代の流れからして当然なのかも知れないが、少し前の「平成の大合併」の様な数合わせ的な無理矢理感が否めない。大前研一が、軍民共用の空港という利点を活かして空港としての目的・位置づけを明確にして欲しかったと言及していたが、そもそも茨城という地域の位置づけすら実のところ(茨城県)自身が余り定義できていないって気がしてしまい、それが茨城空港に現れていると自分は思うのだが。



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2010/03/17

職場結婚したらどっちかが辞めろって何処が「普通」なんだよ

自分がよく覗くブログでもある「今日も歩く」経由で、昨今話題の阿久根市長・竹原信一の市民懇談会に参加していた方のTwitterが紹介されていた。それで一通り目を通すと、こんな遣り取りが。


最前列中年女性「夫婦で働いてる職員についてどう思いますか?」
壇上職員「一人の職員通しであり業務を遂行している限り問題ないと考えます」「自由恋愛であり仕事を個人通しでやっているので問題ないと思います」
中年女性「市職員の市民とかけ離れた異常性がわかりました。民間なら同じ会社で結婚したらやめるのが昔から普通です」怒号「昔から家庭に入るのが当たり前なんです」大怒号


(゜Д゜)ハァ?職場結婚したら仕事を辞めて当たり前って、一体何時の話なの?民間で同じことやったら、それこそ労働基準法違反だの男女雇用均等法違反だの果ては男女差別だ何鱈間鱈忽ち集中砲火間違いないよ。そういうのを「市民とかけ離れた異常性」っていい、「昔から家庭に入るのが当たり前」って・・・・・この市長にしてこの支持者って気がしちゃうよなぁ。

この遣り取りの後に、竹原が市長「この問題は市職員の給料が高いから起きるんです。二人でもらいやがってとなる。これがとても安い給料なら二人でよく頑張るねといい評価につながります。私はそうします。変えてみせます」なんて宥めているけど、正直なところ竹原が市長やっているとこの地域で安月給にしてしまったら、現場のモチベーションは愚か人員確保もままならないんじゃないのか?それこそ他へ移って働くという選択肢もあるんだし、やむなく地元で働くにしてもこれって地域全体でワープアにしてしまいましょうって風にしか聞こえないんだけど。何かエリート官僚の渡りや天下りの超優遇振りとゴッチャにして、比較的安定している公共部門を攻撃しているいるって気がするんだが(実際利用することだってある訳なんだし)。

と、まぁ何か公務員とか役所を擁護するハナシになってしまったが、この件を紹介していたのとは別のエントリで、朝霞市のパブコメが看板倒れの"お役所仕事"になっていることが指摘されていた。なるほど、ただ「意見を聞きます」なんて言うなら、別にパブコメ以前でも「市長への手紙」とか色んなことやられていた割に、じゃ民意の反映は?って聞かれりゃ「さぁ?」としか答え様が無いんだよね。で、かくて昼の昼間から役所へ行ける様な方々や区長などの様に行政の下請けみたいなこともやる方々の声ばかりが反映されてしまう。そうそう、荒井禎雄氏がネット上での言論についてこんな指摘してた(なるほど!自分もやられたことがある!!)。


「村民は彼らが作り上げたローカルルールに従わされ、何かあっても臭い物に蓋をするばかり」
「『自分が目を付けられたら嫌だ」 という一心で、不幸に遭っている人間がいても見て見ぬふり」
「人当たりがよくて親切なのは旅行客などに接する時の外面だけで、同じ人間が村の中に入る(村に住む) と態度が豹変して牙を剥く」
「『貧乏人が横並びだからこその平和』 ではなく、『貧乏人が横並びだからこそ、自分が少しでも上位に立とうと足を引っ張り合う』 ため、争いごとが絶えない」
「渦巻くのは嫉妬。村役場で配布された大福が隣の住民よりも1個少なかっただけで放火事件が巻き起こる」
「他人より上に行きたいからこそ、上を見ずに下を見る」
「自分よりも下に誰かいる事を確認して、自分は上なんだと安心する」
「もし自分の下に誰もいなかったら、その時は適当な理由を付けて他人を下に落とす」
「いわゆる差別の出来上がり」

竹原とこにしろ、朝霞にしろ、ダメな自治体の体質を巧く言い現しているって気がしちゃうよね。これ。何時の間にか数人ばかりの常連の意見だけが大きい意見を持ってしまい、結局店が潰れていくのと同じパターン。

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2010/03/10

いつまでも「常陽銀まかせ」で良いのか?

今開催中の3月県議会で青山大人議員が「茨城県が海外事務所を単独で運営する意味があるのか?」と質していたとか。上海にある事務所は常陽銀行に間借りしているのだから、常陽銀に任せればいいのではないか、という趣旨らしい。だが、それは如何なものだろうか?そもそも銀行の様にある程度はリスクを抑え確実なものを取っていくのと、多少のリスクは取りながらビジネスチャンスをモノにしないとやっていけないビジネス側の現場はどうしてもズレがあるし、幾ら「産業大県」とは言えその覆う久野部分が東京や大阪の大資本による"支店経済"だったりする中で地場の有力企業相手に安定してやって来た常陽銀行がそうしたやり手と伍していけるのか疑問に思うところがある。何より県内で他の金融機関に圧倒的な差をつけている金融機関に経済調査とか営業とかを依存してしまうことで、却って特定企業への癒着が問題にならないのかという懸念もある。

相対する橋本知事の姿勢もいただけない。ホーチミンとかが有望なら事務所を開設してみては?という青山氏の質問に「全く考えていない」と答えている。ものは試しにググってみたが、福井県は香港に、福岡県はバンコクに、という具合に既に他県では東南アジアへの足がかりを着々と進めているとこさえある。ましてや、茨城空港にLCCを就航させると息巻いていた(?)知事だが、そのLCCの本拠としている東南アジアへ県が主体的に営業しないというのは余りに鷹揚に過ぎるを超えて殿様商売をしているとしか思えない。

折も折、毎日新聞が開港直前に『ねじれた離陸・展望乱れる茨城空港』と3回連続のルポを連載していたけど、特にこの中で官とか民とかを問わず営業力の弱さというより地元の独善性が目立っているということを感じずにいられない。空港をめぐる3つのズレをルポで指摘していたけど、ハコモノは作った・イイものはある・あとはやって来た客がやれとばかりに顧客満足より自己満足になっているという点で通底しているのがある。これだからこそ、(数年前の朝日新聞の県版投稿で載った様に)他所からの客に暴言を吐いても悪びれもせず、挙句には旅行代理店の調査で魅力が最も無い県の烙印を押されてしまっている。それでも、関係者は全く自覚もしていないし、危機感も持っていない。


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2010/03/05

気がつけばつくば電気街が崩壊してた

茨城に住む男のブログで知ったのだが、石丸電気つくば店が3月28日付で閉店するとのこと。

ここ数ヶ月ばかり筑波大学のサービスカイゼン研修で石丸の真ん前にある国際会議場へ行く機会があったのだが、石丸とてらしま・かつてダイエーだったデイズタウン辺りが明るく全体的に暗いという印象だった。駐車場にも空きがあり人通りも殆ど無し、車がよく通る割に此処がつくば駅から徒歩10分程度のとこなのかと思うくらいの寂れ様。

自分が大学生の頃だった20年前は凄かった。石丸・サトームセン・C-YOU(→ワンダー)が凌ぎを削り、休日ともなれば大渋滞で夜まで客が入り人通りも多かった。その頃は「つくば電気街の方が秋葉原より得ですよ」と地元商工業者が自慢げに言っていたのだが、逆につくばの方が衰退してしまった訳だ。

よくよく考えると、つくば電気街の客は往々にして自家用車でやってくる客だった。確かに家電だと荷物も多くなるから当然の帰結だとも言えるかも知れないが、道路網が快適すぎるくらい発達していては競合する範囲も広くなり少しでも陳腐化すれば客離れすることになる。黒川滋氏が「郊外型スーパーの寿命は5年しかないと聞いたことがある」と言っていたが、位置的に中心市街地とは言え実質は郊外型だったのではないかと考える。

そのつくば電気街の客を奪ったのが「郊外型スーパー」だった訳だが、それとても既にテナントの空きで中がスカスカだったりするならまだ良い方で、一棟まるまる空きだったりするのも存在する。幾ら流通業界の流行り廃りの激しさを鑑みても、持続性がなさ過ぎるのではないか。かの秋葉原が電気部品→家電→PC→「萌え」と変貌しながらもやっていっている一方で、茨城県内ではTX沿線でさえ陰りが出ているのを見るに、郊外型というよりバブル期かその暫く後のイメージで街づくりを考えているソフトの浅薄さの問題ではないかと思うのだが。


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2010/03/01

「極論」で済まられることではない茨城空港(=百里基地)への米軍移駐

自民党の狩野岳也県議が(「極論」と断っているが)茨城空港が空いているなら米軍に来て貰えという提案をしていたのだとか。

以前に県庁の担当者から話を聞いた時、基地を拡張するなら序でに民間との共用化という感慨を抱いた(その時一緒に聞いていた方・・・というよりその方に自分がついて行ったのだが、その方との遣り取りがここにある)だけに、よく反対派(というか以前から運動していた基地反対派)が主張している「空港設置にかこつけた基地拡張」というのが何か説得力ある様に思っていた。その後開港が間近になって来ると、2chなどから「いっそのこと米軍を移せば良いんじゃない」とか言う書き込みがあったので、それを実行したら地元は猛反発だよなぁ・・・と思っていたのだが。

とは言うものの、この意見には地元は兎も角、全国的には案外支持されるのではないかと思ってしまう。何しろ普天間基地を辺野古沖に移設という計画がポシャった訳で、それでも何処かで米軍基地を引き受けるとなればそれこそ殆ど使用されていない空港とかを使え、というのは納税者にとっては納得できるのではないか(米軍が駐屯することの是非はさて置いて)。

ちなみに、その空港の地元・小美玉市で市会議員をしている福島ヤヨヒ氏が、新年の賀詞交換会で「挨拶の内容は茨城空港に期待する言葉ばかり」で寒々しいと思ったと言及していた。自分には、そこまでして希望的希望に縋り付く地元にはむしろ哀れさを感じるし、むしろ危機感も問題意識も無く糠喜びしている県庁やその周辺の有力者・更にはそれに乗って礼賛一辺倒の言説を弄ぶ面々の方にこそ寒々しさを感じるのだが。


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2010/02/28

しょぼい東京行きのバスに金を出すなら、北関東道への高速バスを誘致する努力を

茨城空港だが、スカイマークが4月16日から神戸便を飛ばすと発表した途端に、今まで肩身の狭い思い(?)をしてきた空港推進派が急にお盛んになっているそうだ。まぁ、余り期待されていなかった中でようやく待望の定期便だから、狂喜乱舞するのも当たり前かも知れないが、それへの対応策が余りにも期待外れ。

確かに空港に定期便はやって来るが、そこからのバスの便はローカル便で水戸へ5便石岡へ2便・あと東京へシャトルバスが2便くらい。幾ら便数が少ないとは言え、これはさすがに貧弱に過ぎる。往々にして想定域とされている筈の茨城や栃木・群馬に向かう場合だと空港でレンタカーを借りるかローカルバスに揺られて水戸へ出る以外に便がなく、今まで羽田から連絡バスや鉄道を使っていた乗客が単純に乗り換えるかは微妙なところ。東京へはシャトルバスが(空港利用者に限り)往復1000円で走るらしいが、常磐高速バスですら渋滞のネックで定時性が確保し難いのにそのリスクを冒してまで茨城経由で東京へ、とは常識的には考え難い。
県は新年度予算で7億5000万円を就航促進に回し、それを東京へのシャトルバスの補助に充てる方針だが、それなら北関東道を経由して宇都宮や日光・鬼怒川へ向かう水戸発着の高速バスを空港に延伸するのに使った方が賢明ではないのか?宇都宮~水戸便だけでも日に5往復、しかも水戸からの延伸分だけ料金を1000円上乗せしても、現行の羽田~宇都宮便よりは運賃が安く済むだけ競争力はあると推察するが。

推進派のブログとか発言を見ていると、「茨城~神戸で5800円は安い!」というのに釣られているのが目立つ。その料金で乗れるのは21日前までの予約に限られ、その様なことが出来るのは時間的に余裕のある乗客や修学旅行などの団体客くらいしかいない。せいぜいビジネス客だと10日前か7日前だったりする訳で、それだとせいぜい1000円程度の若干割安というくらいにしかならない。尤も幸いなことに(?)、現時点では21日前の予約が埋まっている好調ぶりだが、何かバーゲンセールに群がってみたものの期待通りのが無かったからそれっきり、という嫌な予感がするのは相当な僻目なのだろうか。


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2010/02/08

県の公共交通シンポへ行ってきた

水戸にある県民文化センターで県の公共交通活性化会議主催のシンポジウムがあるというので、昨今話題(?)の茨城空港の現状を見るがてらに行ってみた。

先ずは、『鉄道ジャーナル』のバス記事で御馴染みの鈴木文彦氏が講演。自分も『鉄道ジャーナル』のバス記事は毎号チェックしているので大体においてはおさらいの様なものだったが、それでも神奈川中央交通とかの自転車搭載バスの記事にはびっくりする。講演で触れられていた事例については講演会場の外でパネル展示はされていたものの、そこに茨城県の事例が無いと言うのが公共交通機関の貧しき現状というのを示している気がする。

その後の谷口綾子氏の講演が、何と言うのか・・・・・突っ込みどころ満載。確かに、公共交通機関の(自家用車に対する)利便性の低さとか自家用車依存の農村部の方が都市部よりも運動不足になりがちとか肯ける点もあるのだが、自家用車に乗れば自然と触れ合う機会が少なくなるとか公共交通利用促進のために規則正しい生活とか・・・・・それこそ後藤和智氏がだったら即座に突っ込みを入れそうなハナシが次から次へとでてくる。ダメ押しが茨城空港のアクセスとして整備されているかし鉄バス、予算の縮減ばかりか道路交通法の絡みで開港に間に合わないというのを棚に上げて、プロモーションばかり自慢されても興覚めするのが関の山。

そもそも茨城の場合、かつて都市化が進み人口が増えた時期でさえ利用者が減っているという事実がある。科学万博とそれに続くバブルで道路インフラの整備が進みながらも、バス会社の利便性は首都圏と比べても良くならず結果として自家用車の利用が増えてしまった訳だ。しかも昔の様に通勤・通学需要が決まった時間にまとまっている訳ではなく、非正規雇用とか通信制や定時制など需要が多種多様なものになってしまっている。確かに公共交通機関が一定の顧客をターゲットにしないと持続し得ないとは言え、シンポを見る限りではその様な現実に如何に対応するかが見えてこなかった。

加えて、鈴木氏がコミュニティーバスの失敗パターンに言及していたが、現実に茨城でもコミュニティーバスを走らせても結局続かずに廃止、というのが幾つも存在する。兎角、目立つものばかりを作りたがるのが茨城の公共交通促進策(?)とかねがね思っていたのだが、今回のシンポは果たしてどれほどの効果があったのだろうか?まぁ、知事と県バス協会会長が本人出席でなく、代理人を出席させていたのだから推して知るべきかもしれないが・・・・・


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2009/12/10

生涯学習館は必要なのか?

土浦市をはじめとした4市1町で運営してきた社会教育センターが役割を終えたとして解散するのだが、その建物を使って、今度は土浦市単独で「生涯学習館」というのを運営するそうだ。

だが、そもそも「各市町での社会教育施設の整備が進んだ」ので閉鎖した施設に、社会教育施設をまた設置するというのは意味が通らないのではないだろうか?ましてや設置当時と比較して各中学区単位の公民館や県の生涯学習センターなどが出来ている、というのにそれでも必要という根拠があるのか疑問が残る。幾ら生涯学習とは言え、人口の伸び悩んでいる中ではさすがに需要の伸びは期待できないのでは?と推察してしまうのだが。

加えて、建物をどう使うのかってことも不明だったりする。実質2階建てとは言え、エスカレーターやエレベーターの類も無いなど、バリアフリーも不充分。生涯学習の少なからざる利用者に高齢者が含まれているのに、これでは利用を敬遠するのが当然というものだろう。尤も、これを機会にバリアフリーとかを改善するなど、何らかの改装をするのかも知れない。だとしても、それなら閉鎖する以前からやっておくべきことだったのではなかったのか?他の社会教育施設が何らかのバリアフリー施設を整備している以上、そうするのは当たり前であった筈だし、そうすべきだった。以前から、廃止を見越して怠慢を決め込んでいたというのは勘繰り過ぎだろうか?

ところで、この社会教育センターには市立図書館が同居している。矢鱈金をかけて新図書館を造り、一方で生涯学習館なんてものを造るなら、いっそのこと一棟まるまる新図書館にしてしまえばいいのではないか?どうせバリアフリーとかも整備するのなら、欲張らずに現在の施設の改良に回した方がベターである。


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