県の公共交通シンポへ行ってきた
水戸にある県民文化センターで県の公共交通活性化会議主催のシンポジウムがあるというので、昨今話題(?)の茨城空港の現状を見るがてらに行ってみた。
先ずは、『鉄道ジャーナル』のバス記事で御馴染みの鈴木文彦氏が講演。自分も『鉄道ジャーナル』のバス記事は毎号チェックしているので大体においてはおさらいの様なものだったが、それでも神奈川中央交通とかの自転車搭載バスの記事にはびっくりする。講演で触れられていた事例については講演会場の外でパネル展示はされていたものの、そこに茨城県の事例が無いと言うのが公共交通機関の貧しき現状というのを示している気がする。
その後の谷口綾子氏の講演が、何と言うのか・・・・・突っ込みどころ満載。確かに、公共交通機関の(自家用車に対する)利便性の低さとか自家用車依存の農村部の方が都市部よりも運動不足になりがちとか肯ける点もあるのだが、自家用車に乗れば自然と触れ合う機会が少なくなるとか公共交通利用促進のために規則正しい生活とか・・・・・それこそ後藤和智氏がだったら即座に突っ込みを入れそうなハナシが次から次へとでてくる。ダメ押しが茨城空港のアクセスとして整備されているかし鉄バス、予算の縮減ばかりか道路交通法の絡みで開港に間に合わないというのを棚に上げて、プロモーションばかり自慢されても興覚めするのが関の山。
そもそも茨城の場合、かつて都市化が進み人口が増えた時期でさえ利用者が減っているという事実がある。科学万博とそれに続くバブルで道路インフラの整備が進みながらも、バス会社の利便性は首都圏と比べても良くならず結果として自家用車の利用が増えてしまった訳だ。しかも昔の様に通勤・通学需要が決まった時間にまとまっている訳ではなく、非正規雇用とか通信制や定時制など需要が多種多様なものになってしまっている。確かに公共交通機関が一定の顧客をターゲットにしないと持続し得ないとは言え、シンポを見る限りではその様な現実に如何に対応するかが見えてこなかった。
加えて、鈴木氏がコミュニティーバスの失敗パターンに言及していたが、現実に茨城でもコミュニティーバスを走らせても結局続かずに廃止、というのが幾つも存在する。兎角、目立つものばかりを作りたがるのが茨城の公共交通促進策(?)とかねがね思っていたのだが、今回のシンポは果たしてどれほどの効果があったのだろうか?まぁ、知事と県バス協会会長が本人出席でなく、代理人を出席させていたのだから推して知るべきかもしれないが・・・・・
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